#103 小山さんノート

日記の自意識を考える
小泉綾子 2024.06.08
読者限定

おはようございます!
土曜の朝の◎小泉週報です。

友人たちの集まりで話題になった「小山さんノート」を、その会の帰り道に紀伊国屋書店で買って読みました。
(それからレジで平積みされていた「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」も買ったけど、これはタイトル通りなかなか読み進められないでいる。)

「小山さんノート」は都内のホームレスだった小山さんという女性が遺した日記を、有志の方がまとめた本で、荒波の日々を淡々と書き綴っています。

それから「家を破壊される」という暴力のすさまじさについて。
それはどんな暴力よりも精神的なダメージが大きく、心身が休まる場所を奪われると、生きる気力をまるごと失うのだと知りました。戦争や震災も同じです。

小山さんのように昔の日記を文学全集のように大切に持ち歩き、自分の綴った日々を読み返し、それに励まされ、涙するなんてこと、人生にフォーカスして生きなければできないことで、本来であれば読むことのできなかった貴重な日記でした。
日常=人生=歴史
この繋がりの素晴らしさを、まじで忘れていた。

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