#069⭐ネポベイビーについて考える

七光りは重圧か特権か
小泉綾子 2023.04.01
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おはようございます!
土曜の朝の◎小泉週報です。

<b>Roses</b> (1893) by P.S. Krøyer

Roses (1893) by P.S. Krøyer

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こんなニュースが飛び込んできました。

👸ソフィア・コッポラの娘が外出禁止になった理由が「セレブすぎる!」と話題騒然

映画界の巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督(83)の愛娘で、自身もハリウッドを代表する女性監督としての地位を確立しているソフィア・コッポラ(51)。
その長女ロミー・マーズ(16)が動画の中で明かした「外出禁止の理由」がさすがセレブなら、動画の編集力もさすが映画監督の娘だと、SNSで話題沸騰!
アメリカで最も有力な高級日刊紙として知られる『ニューヨーク・タイムズ』のサイトなども取り上げるほど、大きな注目を集めている。

これまでSNS禁止とされていた、ソフィア・コッポラの娘、ロミー・マーズが、父親(PhoenixのボーカルThomas Mar)のクレジットカードで、ニューヨークからメリーランドまでヘリコプターをチャーターしようとしたことで外出禁止となり、反抗としてSNSに動画を投稿したそう。

savannah bradley ~*
@savbrads
this tiktok of sofia coppola’s daughter… this means so much to me
2023/03/22 00:27
17000Retweet 242763Likes
不気味な切迫感のある早回しの語りや、センスのいいカメラワーク、独創的な場面の切り替えなど、偉大な映画監督一族のDNAを感じさせる、この49秒の動画。
バズった原因を『ニューヨーク・タイムズ』は、有名人の子どもでありながら、あまり表舞台に出てこない存在だったことと、現実離れした理由だけれど、親に家から出してもらえないティーンエイジャーという“あるある”に人々が共感したからだと分析。
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七光りは特権か重圧か

二世で活躍する人たちは、努力しているし実力もあると反論、しばしばそれが自分にとって障害や重荷となったとさえ言います。
それはもちろん事実だと思います。
「親が有名だとやりづらい」と嘆く関係者も多く、普通のことをしても周囲が特別な存在に感じてしまうのは、本人のせいではありません。

先述のソフィアコッポラの娘のように、親への反抗心から腹いせ動画を作って投稿しただけで5500万回も再生され「これは私にとって意味のある動画だ」と崇められて拡散されたり、偉大な祖父の映画と比較されるのも、本人のせいではありません。

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これはVultureに掲載された写真で、左が母のユマ・サーマン、右が娘のマヤ・ホーク。
彼女の外見には「言わなくてもわかること」があり、何をしても注目を浴びるのは、仕方がないことです。

また、現実問題として、知名度や社会的地位は親の築いた財のひとつなので、子供にそれを分け与えることは(悔しいけど)当然のことだし、家業を受け継いでいると考えれば、コネや人脈があるのもまた当然のことだと思います。

誰だって3代続く洋食屋さんは、脈々と語り継がれる秘伝のレシピがあると考えるし、シェフは小さい頃から訓練した特別なスキルを持っているはずで、絶対においしいに違いないと期待します。

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ハリウッドで「ネポベイビー」の議論が過熱しているそうです。
当事者たちが「ネポベイビー」であることをどう受け止めているか、その発言によって、好感度を上げるセレブも、逆にひけらかして批判されるセレブもいます。
二世セレブ問題は突き詰めると、人種差別や社会の不正に繋がる場合もあります。

最近では、スティーヴン・スピルバーグの娘が監督、スティーヴン・キングの息子が脚本、ショーン・ペンの息子が主演しているホラー映画なんかも爆誕しました。

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