#011 💎ノマドワークVS自宅聖域
「なりたい立派な大人/どんなに綺麗な言葉/並べてもこぼれるボロが~♪」(わかる!)
💫ノマドワークVS聖域
書く仕事だと言うと「パソコンさえあればどこでも仕事ができるからいいよね」
と、言われる。
実際その通りで、私はあらゆる場所で仕事をする。
近所のカフェやファミレス、新幹線や高速バスの中、巨大企業のロビー(なぜか眠くなる)、安いホテル、高いホテル、山奥の青少年の家……。
(歌舞伎町のアパホテルを初めて利用した時「監獄ってこんな感じかな」と思った。ぜひ行ってみてください)。
移動時間に考え事もできるし、新鮮な空気を吸えば脳が刺激される。
基本は部屋にカンヅメだけど、時々は土地の人と会話して、思い出になることもある。
一方で、自宅でしか仕事・作業をしない人もたくさんいる。
私はアーティストが自宅を紹介するルームツアーの動画が大好きで、
彼らの聖域に憧れ、ため息をつきながらそれを観る。
そしてそのたびに思うのだ。
「こんな家に住んでたら、誰だってクリエイティブになるに決まってるっしょ……」
(The Florence + the Machineの自宅ウットリ動画。もう何回観たかわからない)
ノマドワークと自宅聖域化、どっちがより「クリエイティブ」な環境なのか。
先に申し上げますと、この週報を最後まで読んでも、その答えは出てきません。
(毎回こんな感じですみません。愛してください)
ただ、私の現在の惨めな現状を分析しながら考察をお伝えすることで、
皆さまの「クリエイティブ」な環境づくりの参考になればと思い、今回も張り切って書いていきます✨
💫そもそも私を邪魔するもの
私の自宅にも、仕事部屋がある。
散らかっているものの快適な空間なので、基本的にはそこで仕事や作業をする。
だけど時々、あるいは頻繁に、私を邪魔するものがいる。
私が旅に出る理由、それは食べ物と騒音問題であります。
-
その1)食べ物🍔
家で仕事をしていると、1日に何度も冷蔵庫の中のものを確認する羽目になる。
そして毎度「パッとしないわーコンビニ行こう」など考えるせいで、集中力は途切れまくる。
集中力が途切れる⇔冷蔵庫を覗く
仕事がはかどらない時は病んだチンパンジーのごとく、この動作を延々と繰り返してしまうのでした。 -
その2)騒音📣
私は東京23区の沼地プレハブ小屋に住んでおり、
陽当たりが悪いうえに先日、壁にひびが入っているのを発見したほどボロいのだけど(一応セロテープでふさいだけど、悲しい気持ちまでは修繕不可)
公園が多く、また、お隣さんと仲がいいのが気に入っていて(コロナ禍でさらに仲良しに🥰)なかなか引っ越す気になれない。
しかし上の階に住むパリピ男たちの騒音被害(人をのこぎりで切っているような音や人体を切り刻み洗っているような音……)に時々悩まされ、
一旦それが気になると、死体洗浄における一連の騒音が終わるまで、怒りと不安から抜け出せなくなり、作業効率が激しく低下してしまう。
作業部屋の老猫
以上が、私が自宅で集中して作業ができず、ノマドワークを選ぶ理由です。
文字にしてみるとあまりにもくだらないね……と我ながら思ったけれど、
実際その危機に直面すると、大問題だよ。
この2つから逃げるべく、私は銀行口座の残高を確認したのちに、
家以外の場所を探し求めることになるのです。
💫一方で世界の偉人たちは
破天荒でクリエイティブな偉人たちの生活は、ほぼルーティン化され、
まるで修行僧のようだったりする。
「天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」「天才たちの日課 女性編 自由な彼女たちの必ずしも自由でない日常」 「女性編」のほうが分厚いのが嬉しい
これを読めば、何かを成し遂げた偉大な人は、決してフラフラしたりしないことがわかる。
ノルマ、自己鍛錬、習慣、機械的。そんな言葉が何回も出てくる。
平凡なルーティンを繰り返すことで、想像力は鍛えられることを知る。
「必ずしも自由でない日常」とサブタイトルが付いている女性編でさえ、
創作のための孤独な時間と空間を自宅に作ろうと試行錯誤しているのだから、
その努力と覚悟こそが、「クリエイティブ」の力強い原動力になるのかもしれない。
(もちろんこの本の中には、お酒やドラッグの力を借りて、めちゃくちゃなパワーで働く偉人もいます!)
≪いくつかの例≫
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トーマス・マン
「いつも午前8時に起き、妻とともにコーヒーを飲み風呂に入って着替えを済ませ、8時半に朝食を取る。9時に書斎に入ってドアを閉めると来客も電話も一切応じない。1日にタバコ12本、葉巻2本と決めていた」 -
ヘンリー・ミラー
「優れた洞察力が働く瞬間を維持するには、厳しく自己管理をして、規律ある生活を置くなければいけない、と強調した。」 -
デヴィッド・リンチ
「ここ7年間食事はビッグボーイで取っている。行くのは2時半ごろ。(中略)大量の砂糖でハイになるとアイデアが次々に湧いてくる。それをナプキンに書き留める」 -
スティーヴン・キング
「誕生日も休日も休まず、1日2000語のノルマを達成するまでは決してペンを置かない。執筆する部屋に入るのは毎日だいたい同じ時間」 -
ユードラ・ウェルティ
「私は書こうと思えば、ほとんどどんなところでも書くことができる。それでも自宅で書くことが一番なのは、本当に時間を確保できて邪魔も入らない場所は家にしかないから」 -
ミランダ・ジュライ
「朝6時半に置き、母親らしいことをして、その後はロサンゼルスの仕事場で9時から3時45分まで仕事をし、午後10時頃には寝る」 -
チャールズ・シュルツ
「1日7時間、週5日を『ピーナッツ』の制作に捧げた。夜明けとともに起き、シャワーを浴びてひげを剃り、子供たちに朝食を食べさせる。8時20分に子供たちを学校に送り、その後はいよいよ自宅横のアトリエで作業を始める。昼食もアトリエで食べ、子供たちが帰って来る4時まで仕事をした。規則正しい仕事が性分に合っていた」
💫ノマドワークは甘え?
この本で偉人たちの自己鍛錬、ストイックな暮らしぶりを知ると、
ノマドワークとは単なる甘えなのでは……という不安が強く襲ってくる。
四の五の言わず、ウロウロせず、全エネルギーをクリエイティブな情熱に注ぎ込むことこそが真の「クリエイター」の第一歩だったりして……。
な~にが "ノマドワーク" だよ(笑)
集中力がないことをカタカナで格好良く言ってるだけじゃん。
そんな攻撃的な言葉が胸に湧き上がる。
いやでも松尾芭蕉とかさ、全国ウロウロして俳句作ってたわけだし。
日本人って基本的に旅行好きな民族だし。
これまで旅先で思いついたアイデアだっていっぱいあったじゃん。
私は混乱し、震えている。
なぜなら私は今、岡山県の港町のホテルでこれを書いているから……。
今週は以上です。
また来週お会いしましょう!
小泉綾子(@ayathecat)
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